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笹幸恵
2016.7.28 14:02

『囚われの女たち』

DVDで、ペルー映画『囚われの女たち』を見ました。

以前、小林先生が「なんという女体のケツ!見事だ!」と

絶賛し、その後にDVDを見たもくれんさんも「はわわわー!」と

言っていたこの映画。

 

ストーリーは、もくれんさんが端的にまとめられているので

そのブログから引用します。

 

お話は、むりやり連行されたかわいそうな性奴隷ではなく、
経営難だった町の売春宿と、今後の職場探しに困っていた娼婦たち、
そして、レイプ事件を起こしてしまう若い兵士たちの性欲処理に頭を
悩ませていた軍との合意によって、衛生的に管理され、規則を重んじた
慰安所が作られてゆき、その慰安所をめぐる、ヒロインと大尉の物語を
描いたもの。

 

詳しくはもくれんさんのブログを見てね。

 ペルー映画『囚われの女たち』

 

シンプルなストーリーなんだけど、これはホントに素晴らしい作品!

まず女体!

ヒロインの身体はこれぞ「ザ・女体!」というくらい見事。

女の私でも思わず手を伸ばしたくなる。

品行方正な大尉が落ちるのも無理はない。

 

金をせびるメディアの存在は、メディア批判のみならず、

慰安婦の存在が見方によって正反対になることを示している。

つまりメディアを通して、偽善者を笑っているのだ。

 
女のしたたかさと、男のズルさも透けて見える。

そしてヒロインと大尉のラブストーリーはある日突然、

あまりに哀しく、あまりに美しい形で終わる。

もしかしたらこれは「理想的な終わり方」なのかもしれない(お互いにとって)。

しかし酒もたばこもやらなかった大尉が、タバコをくゆらすシーンがある。

何とも切なく、心の機微を表していてステキだ。

人間ねー、純白なんてありえないのよ。

そりゃ真っ黒だったら問題かもしれないけど、

人に言えない過去や、付け込まれる隙や、

恨みつらみや、墓場まで持っていく思いがある。

人間だもの。

そのあたりが嫌味なく描かれていて、なんだか

かえって清々しい気持ちになった。

 

そしてこの映画は、売春婦を世話するやり手ババアと

大尉との信頼関係も映し出している。

いわば、二人は「同志」なのだ。

 

この人間のどうしようもない業の世界に

心を通わせた「同志」。

 

「かわいそう」だなんて、何と薄っぺらい感情だろうと

思わずにはいられない。

 

それにしてもパッケージの解説、ありゃないわー。

囚われた女のエロティック・サスペンスって、

的外れで意味がわからない。
エロビデオとして手に取らせたかったのかもしれないけど、
そのセンスがちょっと・・・。

この作品は「名作」です。 

次、高森先生に貸し出します!

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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